個人サイト運用で最初に入れておく無料サービス5選と使い分け


GA4の初期設定を済ませて、ひと安心していたときのことです。ふと、アクセス解析だけでサイトの何が分かって、何が分からないのかが気になりました。調べてみると、サイト運用の道具は「アクセス解析」という一語でくくれるものではなく、見ている場所がそれぞれ違う。車でいえば、速度計と燃料計とバックミラーくらい違うのです。このブログに実際に入れた無料サービスを、計器盤の配置図として整理してみます。

サイトの計器盤は「来る前・来てから・速さ・行動・生死」の5役で、どれも無料でそろいます。

「来る前」を見る:Google Search Console

GA4が教えてくれるのは、訪問者がサイトに来てからの話です。その手前、検索結果の世界で何が起きているかを見るのがSearch Consoleです。どんな検索語(クエリ)でサイトが表示され、何回クリックされ、平均何位に出ているか。サイトマップの送信やURL検査でGoogleへの登録状況を確かめ、Googleがサイト側の問題を見つけたときはメールで知らせてくれます※1。

いわば、Googleとの公式な窓口です。開設直後のサイトはそもそも検索に載るまでが勝負なので、GA4より先にこちらが主役になる時期すらあります。GA4と連携させると検索クエリを解析側からも見られるようになるので、セットで入れるのが基本形だと思います。

「速さ」を測る:PageSpeed Insights

表示の速さは体感で語られがちですが、測る道具があります。PageSpeed Insightsは、URLを入れるだけで2種類の診断を返してくれます。制御された環境で測るラボデータ(Lighthouse)と、実際のChromeユーザーの体験から集計されたフィールドデータです※2。

中心になる指標はCore Web Vitalsと呼ばれる3つで、表示の速さ(LCP)、操作への反応(INP)、表示のガタつき(CLS)。実ユーザーの75パーセンタイル値が3指標とも「良好」なら合格という判定です※2。筆者がありがたいと思うのは、これが感想ではなく数値で返ってくることです。デザインをいじって重くなったかどうかは、議論するより測ったほうが早い。

「行動」をのぞく:Microsoft Clarity

数字で分からないのが「読者がページのどこで止まったか」です。Microsoft Clarityは、クリックやスクロールの分布を色で見せるヒートマップと、実際の操作を動画のように再生できるセッション録画を提供します。公式サイトには、無期限で無料、トラフィック制限なしと明記されています※3。

記事のどこまでスクロールされたか、目次のどの項目が押されたか。文章の直し所を教えてくれるのは、実はGA4よりこちらです。ひとつ注意があるとすれば、行動の記録は踏み込んだ計測なので、プライバシーポリシーにアクセス解析ツールの利用を明記しておくこと。当ブログのポリシーにも記載しています。

「軽い計器」と「生存確認」:Cloudflare Web AnalyticsとUptimeRobot

残る2つは補助計器です。Cloudflare Web Analyticsは、CookieもlocalStorageも使わず、IPアドレスなどによる個人の識別もしない設計のアクセス集計を無料で提供します※4。GA4が重装備の計器盤だとすれば、こちらは「今日どのページが読まれたか」をさっと見る軽い文字盤で、プライバシー配慮の姿勢を示す意味でも相性のよい道具です。

UptimeRobotは死活監視、つまり「サイトが生きているか」を外から定期的に確かめるサービスです。無料プランで50件の監視対象を5分間隔でチェックし、落ちていればメールなどに知らせてくれます※5。静的サイトは滅多に落ちませんが、「滅多に」と「絶対に」の差を埋めるのが監視です。アクセスが減った夜に「障害か、それともただ読まれていないだけか」を切り分けられるのは、精神衛生上もかなり効きます。

調べても分からなかったこと

  • Search ConsoleとPageSpeed Insightsの公式ページには、意外なことに「無料」の明記が見当たりませんでした※1※2。無料で使えることは広く知られており筆者も無料で使っていますが、公式の文言としては確認できていません。
  • Clarityの「無制限・無期限で無料」※3がこの先も維持されるのか。無料ツールの条件は変わることがあるので、導入時点の条件として読んでください。

まとめ:5つの計器の配置図

サービス見る場所導入した初日に見る「1つ」
Search Console※1来る前(検索結果)URL検査に記事を1本かけ、インデックス登録をリクエストする
GA4(設定は別記事)来てから(行動の集計)管理>データ設定>データ保持が「14か月」になっているか
PageSpeed Insights※2速さトップページのCore Web Vitals合否と、LCPの秒数
Microsoft Clarity※3行動の中身いちばん読まれている記事のスクロールマップで、50%地点の到達率
Cloudflare Web Analytics※4日々のざっくり把握今日のページビューと参照元の上位3つ
UptimeRobot※5生死モニター作成後、ステータスが「Up」で60分安定しているか

導入の順番も決めています。筆者の順は「GA4 → Search Console → UptimeRobot → PageSpeed Insights → Clarity」。前の2つはデータが貯まるまでの待ち時間があるので初日に(計測は入れた日からしか始まりません)、UptimeRobotは事故に気づけない期間をなくすため公開直後に、PSIはアカウント不要なのでいつでも、Clarityは見る対象(読者の行動)が発生してから、という理屈です。

全部無料で、導入はどれも数分から数十分。大事なのは数を入れることではなく、「いま自分が見たいのはどの計器か」を分かって開くことです。アクセス解析を入れて満足しかけていた筆者への、これは自戒のまとめでもあります。

参考文献・出典

※1 : 「Google Search Console」 |Google https://search.google.com/search-console/about

※2 : 「PageSpeed Insights について」 |Google for Developers https://developers.google.com/speed/docs/insights/v5/about?hl=ja

※3 : 「Microsoft Clarity - Free Heatmaps & Session Recordings」 |Microsoft https://clarity.microsoft.com/

※4 : 「Cloudflare Web Analytics」 |Cloudflare https://www.cloudflare.com/web-analytics/

※5 : 「UptimeRobot: Free Website Monitoring Service」 |UptimeRobot https://uptimerobot.com/

よくある質問

GA4だけではサイト運用に足りないのですか?

GA4が見せてくれるのは主に「サイトに来てから」の行動です。検索でどう見つけられたか(Search Console)、表示は速いか(PageSpeed Insights)、ページのどこで読者が止まったか(Clarity)、そもそもサイトが落ちていないか(死活監視)は、それぞれ別の道具の担当です。

Microsoft Clarityとはどんなツールですか?

Microsoftが提供する行動分析ツールで、ページのどこがクリック・スクロールされたかを色で示すヒートマップと、実際の操作を再生できるセッション録画が使えます。公式サイトでは無期限で無料、トラフィック制限なしと明記されています。

個人ブログに死活監視は必要ですか?

更新をサボっているだけなのか、サイト自体が落ちているのかを区別できるのは監視だけです。UptimeRobotの無料プランは50件までの監視対象を5分間隔でチェックしてメール等に通知してくれるので、入れておくコストはほぼゼロです。趣味サイトでも入れる価値はあります。