AI検索でブログのクリックは6割減った:数字で見る現在地


このブログを始めるとき、いちばん最初に確かめておくべきだったことを、記事を20本書いたあとで調べました。AI検索が広がったいま、ブログを読みにくる人はどれだけ減ったのか。結果は予想より厳しく、そして自分たちの選択が正しかったことも同時に示していました。感想ではなく、公開された調査の数字だけで現在地を確かめます。

検索1位でもクリック率は9%まで落ちており、従来型のブログ運営は数字の上で成立しなくなっています。

数字1:検索1位でも、10人中1人しか来ない

いちばん衝撃的なのは、順位とアクセスが切り離されたことです。SEOツール大手Ahrefsの調査を紹介した記事によれば、日本の情報収集型キーワードでAI概要(AI Overviews)が表示された場合、検索1位の**予測クリック率24.1%に対し、実測は9.0%**にとどまりました※1。

さらに、この落差は急速に広がっています。同じ調査での「クリック減少率」は、2025年12月の38.0%から2026年6月には**62.7%**へ。半年で24.7ポイントの悪化です※1。

時点クリック減少率(日本)
2025年12月38.0%※1
2026年6月62.7%※1

かつて「1位を取れば勝ち」だった世界が、「1位を取っても10人中1人しか来ない」世界に変わった。しかも変化の途中で、まだ底が見えていません。

数字2:米国の家庭で実測しても、同じ結論だった

これは日本やAhrefs特有の現象なのか。米国の調査機関Pew Research Centerが、まったく別の手法で確かめています。900人の米国成人の実際の閲覧行動を追跡し、2025年3月の1か月間で68,879件のGoogle検索を分析したものです※2。

結果はこうでした。AI要約が表示された検索でリンクがクリックされたのは訪問の8%、表示されなかった場合は15%。ほぼ半減です※2。しかもAI要約の中に置かれた引用リンクがクリックされたのは、わずか**1%**でした※2。「引用されればクリックされる」という期待も、この数字を見る限り薄いことになります。

もうひとつ見逃せないのが、行動そのものの変化です。AI要約があったページでは**26%**が検索セッションを終了しており、なかった場合の16%を大きく上回っていました※2。答えが得られたので、もう調べない。健全な読者行動である一方、サイト運営者から見れば読者との接点が消えたことを意味します。

調査会社の推計と、実際の家庭の閲覧ログ。手法も国も違う2つが同じ方向を指しているので、これは景気変動のような一時的なものではなく構造変化だと受け取るのが妥当です。

数字3:「そんなに減っていない」という反論への答え

ここで公平のために、少し前のデータも並べます。Ahrefsが2025年4月に公開した調査では、30万キーワード(AI Overviews表示あり15万、なし15万)を対象に、2024年3月と2025年3月を比較して、1位ページのクリック率低下は**34.5%**でした※3。

つまり2025年春の時点では3割減、2026年半ばには6割減。この1年で減少幅がほぼ倍になったことになります※1※3。「まだ大丈夫」と言われていた頃の数字を持ち出しても、もう現在地の説明にはなりません。

それでもブログを作った理由(筆者の選択)

ここからは筆者の考えです。以上の数字が意味するのは、「検索で人を集めて広告を見せる」というブログの伝統的な収益モデルの終わりです。AIが答えを出してしまう領域、つまり「◯◯とは」「◯◯のやり方」のような網羅型の解説記事ほど、まともにその直撃を受けます。

では、なぜこのブログを作ったのか。数字を調べたうえで、位置づけをこう決めました。

  1. 収益は主目的にしない。 広告収入は「ドメイン代が回収できれば上出来」の水準に期待値を下げる
  2. AIに代替されないものだけを書く。 自分で測った数字、実際に使っている道具の現物、原文にあたった一次資料。サーバー記事に載せた当サイトの実測値(ビルド6.6秒、応答中央値86ms)や、AEOの記事で公開した定点観測の質問リストは、AIが生成できない類の情報です
  3. サイト自体を実験場にする。 AI検索にどう読まれるかを自分のサイトで検証し、その過程を記事にする。減っていくクリックを嘆く代わりに、減り方を観測する側に回る

各所の分析も、生き残りの条件として「ニッチな特化」「体験ベースの一次情報」「試行錯誤の過程の開示」を挙げています。奇しくも、それはこのブログの編集方針そのものでした。

調べても分からなかったこと

  • 日本の個人ブログ全体でアクセスがどれだけ減ったかの網羅的な統計。個別の収益報告や事例は多数見かけますが、母集団のはっきりした調査は見つけられませんでした。本記事が使った数字は、キーワード単位の調査※1※3と米国の閲覧行動調査※2です。
  • AI検索経由の流入が、従来の検索流入をどこまで補うのか。当ブログはまだ公開前で、自分のデータで語れません。数字が取れたら追記します。

まとめ:数えられる場所に立つ

調査何を測ったか結果
Ahrefs(2026年7月報道)※1日本の情報系KWで1位のCTR予測24.1%に対し実測9.0%、減少率62.7%
Pew Research Center※2米国900人の実閲覧ログAI要約ありで8%、なしで15%。要約内リンクは1%
Ahrefs(2025年4月)※330万KWの前年比較1位ページのクリック34.5%減

3つの調査が同じ方向を指しています。検索からブログへ人が流れる時代は、少なくとも「情報を調べる」目的においては終わりつつあります。

それでも書くなら、AIが代われない場所に立つしかありません。自分で測った数字、実際にやってみた記録、間違えた過程。幸いなことに、それはブログという媒体がもともと得意だったことでもあります。検索エンジンに最適化された10年を経て、個人が書く意味が「体験を書き残すこと」に戻ってきた。そう考えると、この厳しい数字も悪い報せばかりではないのかもしれません。

参考文献・出典

※1 : 「AI Overviewsでクリック率が62.7%減! Google検索1位でもCTRはわずか9%【Ahrefs調べ】」 |Web担当者Forum https://webtan.impress.co.jp/n/2026/07/29/53036

※2 : 「Google users are less likely to click on links when an AI summary appears in the results」 |Pew Research Center https://www.pewresearch.org/short-reads/2025/07/22/google-users-are-less-likely-to-click-on-links-when-an-ai-summary-appears-in-the-results/

※3 : 「AI Overviews Reduce Clicks by 34.5%」 |Ahrefs https://ahrefs.com/blog/ai-overviews-reduce-clicks/

よくある質問

AI検索でブログのアクセスはどれくらい減りますか?

Ahrefsの調査では、日本の情報収集型キーワードで検索1位の実測クリック率が9.0%(予測24.1%)まで落ち、クリック減少率は2026年6月時点で62.7%とされています。米国のPew Research Centerの調査でも、AI要約が表示された検索でリンクがクリックされた割合は8%で、表示されない場合の15%からほぼ半減していました。

個人ブログはもう成り立たないのですか?

「網羅型のまとめ記事で検索流入を集めて広告収入を得る」という従来型は、成立が難しくなっています。一方で各種の分析は、自分で試した記録や失敗談のような一次情報はAIに代替されにくいと指摘しています。勝負する土俵を変える必要がある、というのが現状の答えです。

AI検索時代にブログを始める意味はありますか?

収益だけを目的にするなら期待値は低いです。ただし、専門性の証明(名刺)や、自分で検証した一次データを持つための実験場としての価値は残ります。当ブログもその位置づけで運営しています。